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秋の行楽シーズン、美しい景色が楽しめる紅葉ドライブですが、濡れた落ち葉が積もっている路面には十分な注意が必要です。濡れた落ち葉はタイヤの摩擦を奪い、雪道並みのスリップ事故を引き起こす恐れがあります。また、側溝や尖った石が落ち葉で隠れていることもあり、脱輪やパンクといった思わぬ危険に遭遇することも。そこで当コラムでは、ドライブにおける落ち葉の危険性や、秋のドライブを安全に楽しむための運転のコツをわかりやすく解説します。
雨上がりや朝露などで濡れた落ち葉を踏むと、車が予想以上にツルリと滑ることがあります。この原因は、植物の葉の表面を覆っている「クチクラ層(Cuticle)」と呼ばれる成分です。
クチクラ層とは、葉を乾燥から守るためのロウのような油分を含む保護膜を指します。落ちた葉が水分に触れるとクチクラ層から少しずつ油分が浮き出て、路面に油の膜が張られたような状態になり、タイヤの摩擦力を著しく低下させます。秋シーズンに落ちやすいイチョウの葉にはクチクラ層が多く含まれており、乾燥している状態でも滑りやすいほどの油分を持っているため、とくに注意が必要です。
さらに、落ち葉が何層にも重なっている場所では、タイヤがアスファルトの表面を直接掴むことが難しくなります。タイヤが路面にしっかり接地していない状態では、「ハイドロプレーニング現象」のようにブレーキやハンドル操作が効かなくなり、落ち葉ごと車が滑ってしまう恐れもあります。その滑りやすさは雪道に匹敵するとされており、決して甘く見てはいけません。
落ち葉が大量に堆積している場所には物理的な危険も潜んでいます。風や車の走行によって路肩やカーブのイン側に形成された「落ち葉の吹きだまり」の下には、排水用の側溝や落下した鋭利な石、太い木の枝といった障害物が隠れていることが少なくありません。
道幅の狭い山道では、対向車とすれ違う際に道を譲ろうとして左側に寄りすぎた結果、落ち葉の下に隠れていた蓋のない側溝に脱輪してしまう事故も発生しています。一度脱輪してしまうと自力での脱出が困難なため、レッカー車などの救護を要する場合があります。
雨の日や雨上がりで路肩の境界線が見えにくい場合は、無理に幅寄せをするのは大変危険です。もし対向車が来た場合は、あらかじめ道幅が広くすれ違いやすい安全な場所を見つけて一時停止し、相手の通過を待つなど余裕を持った安全運転を意識しましょう。また、対向車が待ってくれた場合も、スリップに注意して最徐行で通過するようにしましょう。
落ち葉は運転中の危険だけでなく、車体そのものにもさまざまな悪影響を及ぼします。ドライブから帰った後、車に付着した落ち葉をそのまま放置すると、以下のようなトラブルの原因となります。車のコンディションを保つためにも、こまめな清掃を行いましょう。
◎エアコンのニオイ
フロントガラスの付け根にある外気導入口(カウルトップ)に落ち葉が入り込むと、雨などの湿気を含んで内部で腐敗します。そこに虫の死骸などが混ざることでカビやバクテリアが繁殖し、エアコンの風に乗って車内に不快な悪臭を放つ原因となります。
◎汚れやキズ
落ち葉にはタンニンなどの色素や樹液が含まれており、雨で濡れるとそれらが溶け出して車の塗装面に茶色いシミや黄ばみを作ります。放置するとクリア層に浸透して除去が困難になるほか、乾燥した葉が風で擦れることで車体に細かいキズが付く恐れもあります。
◎ドレンの詰まり
カウルトップの隙間やサンルーフの排水溝(ドレン)に細かい落ち葉が入り込んで泥状になると、雨水の抜け道がふさがれてしまいます。行き場を失った水が車内にあふれ出し、雨漏りトラブルや見えない部分のサビ、電気系統のショートへとつながる危険性があるため注意が必要です。
落ち葉が舞う秋の山道を安全にドライブするためには、普段以上に慎重な運転が求められます。路面状況が悪化しやすい環境下では、以下の鉄則を守り、事故を未然に防ぎましょう。
◎スピードを抑える
落ち葉の堆積を見つけたら、そのまま進入せずに手前でしっかりスピードを落とすことが大前提です。速度が上がるほどタイヤが路面の水をかき出す時間が短くなり、スリップの危険が高まります。
◎車間距離をとる
滑りやすい路面では、ブレーキを踏んでから車が完全に停止するまでの制動距離が長くなります。前の車の急な動きにも安全に対応できるよう、乾燥路面を走る時よりも長めに車間距離を確保しましょう。
◎急な操作を控える
「急ブレーキ」「急ハンドル」「急加速」は厳禁です。落ち葉の上で強い操作を行うとコントロールを失う恐れがあるため、カーブの手前から減速をして安全に曲がるようにしましょう。また、長い下り坂ではフットブレーキの多用によってブレーキが効かなくなるフェード現象を防ぐため、エンジンブレーキを併用するのがおすすめです。
◎運転前にタイヤの点検を
タイヤの溝がすり減っていると排水性能が低下し、濡れた落ち葉の上で極端に滑りやすくなります。また、適正な空気圧でない場合も、グリップ力が十分に発揮されません。ドライブ前にはタイヤの溝や空気圧が適正であるか必ず点検しましょう。
秋のドライブは、落ち葉によるスリップや脱輪など注意しなくてはいけないことが多くあります。そのため、
スピードの出しすぎや急な操作に注意して、普段以上の安全運転を心がけましょう。
また、車に付着した落ち葉は車体に悪影響を及ぼす恐れがあるため、こまめな清掃などのメンテナンスも忘れずに行うことが大切です。
いかがでしたか。秋のドライブを安全に楽しむためには、安全運転の心構えと事前のメンテナンスが欠かせません。あわせて、運転後は愛車を守るために落ち葉の除去や清掃を行い、良好なコンディションを保つよう心がけましょう。